投資信託の信託報酬とは、投資信託で運用している期間において、投資家が負担すべき運用手数料のことをいいます。
投資信託で運用している期間中も、投資信託の運用責任者は、銘柄を選び、実際に金融資産の売買を行う等、様々な業務を行っています。
それらの業務の対価として、投資家は、投資信託の運用期間中に手数料を支払うこととなっているのです。
信託報酬の水準は、アクティブ型とパッシブ型で大きく異なります。
アクティブ型(ファンドマネージャーが積極的に銘柄選びをするタイプの投資信託)では、運用に手間がかかる分、運用残高に対して2%から3%と高い割合に設定されるものが多いです。
一方で、パッシブ型(株価指数等に応じて自動で売買がされるタイプの投資信託)では、運用コストがあまりかからないため、信託報酬は0.15%程度と安く設定されることもあります。
投資信託を購入した場合には「投資による利益−信託報酬」が投資家の手取額となります。
そのため、信託報酬が高い割合に設定されている場合には、よほど、投資による利益率が高くならないと、投資家から見た利益が残らないという結果にもなりかねません。
例えば、信託報酬が2%、投資利回りが1.5%とすると、投資家の手取りベースでは、1.5%−2%=△0.5%とマイナスの運用利回りになる可能性もあるのです。
信託報酬は、投資信託を保有する期間が長いほど、投資家にとっての負担額も大きくなります。そのため、長期投資を考えている場合には、信託報酬を安く抑えることが肝心です。